ぜんりつせんがんは米国で男性のがん発生数第 1 位、死亡数第 2 位となっています。日本では、20 世紀後半からぜんりつせんがんも急速に増加傾向を示しています。2mm 以下のがんを含め、65 歳以上の日本男性では 5 人に 1 人が前立腺癌に罹患しています。ぜんりつせんがんのスクリーニングには、血液検査の中で非常に簡便な腫瘍マーカー PSA 検査が非常に有効です。
腫瘍マーカーは多種多様ですが、PSA は日本泌尿器科学会が推奨する信頼性が高く正確な腫瘍マーカーです。しかし、多くのぜんりつせんがんは休眠状態のままで、身体に何らかの傷害を与えることはありません。そのため、近年は前立腺癌が発見されても、小さい場合はすぐに手術を行う必要はなく、PSA を定期的に再検査する方法でモニタリングするようになっています。PSA 値が上昇し始めたことが確認されれば、すぐに精密検査を行い、ぜんりつせんがんの腫瘍が急増し始めた場合は、すぐに手術を行います。この「PSA モニタリング待機療法」と呼ばれる方法が普及しつつあります。
一方、PSA が陽性であっても必ずしもぜんりつせんがんとは限りません。60 歳以上の男性の大部分は前立腺肥大により PSA 値が上昇する場合が少なくありません。そのため、近年は各年齢層の PSA 基準値(正常範囲)が設定され始めています。従来、PSA の基準値は「4 以下」に設定されていました。しかし、報告によると PSA が陽性であっても、4 以上 10 以下の範囲では、実際には約 8 割の人が前立腺癌ではないということです。以上の状況を理解した上で、50 歳以上の男性は必ず PSA 検査を受けることを推奨します。